日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年1月17日報告の仕方で気をつけるべきこととは?



★報告の仕方で悩んでいる人は多い


日本話し方センターのベーシックコースの受講生には「上司から『もっとわかりやすく報告してください』と言われるんです」という人が少なくありません。私も上司から「で、結局何が言いたいの?」と言われたことがあります。また、上司の立場で一緒に働いている人に「結論は何なの?」などと言ったことがあります。こう考えると、世の中には報告の仕方を改善した方が良い人はかなり多いようです。では、具体的にどのようにすれば効率的、効果的な報告ができるのでしょうか。





★わかりにくい報告の例


例えば、このようなやり取りがあったとします。
上司「今日のX商事さんへの新商品の説明、どんな感触だった?」
T「はい、そんなに悪くなかったように思いますが・・・」
上司「ん? どういうこと?」
T「先方の課長にお話したんですけど、パンフレットを長い時間ご覧になってまして、私の説明もうなずきながら聞いてくれてました」
上司「じゃあ、いい感触だったんだね?」
T「えぇ~、でも課長から特に何も聞かれなかったし、最後は『ありがとう』とだけ言われたので・・・」
上司「じゃあ、よかったの? 悪かったの? どっちなの?」


もしあなたが上司で、Tさんからこんな話をされたら間違いなくイライラするでしょう。では、Tさんはどういう点を改善すればよいのでしょうか?




★物事が発生時点で感触を判断する


まず1つ目は『物事が発生した時点で感触を判断する』ということです。
顧客訪問した場合であれば、『訪問終了後すぐに相手の感触がよかったのか悪かったのか判断しておく』ということです。話がまとまらないという人は、考えがまとまっていない、つまり考えていないということがよくあります。Tさんも上司に尋ねられるまで、X商事の感触がどうだったか考えていませんでした。X商事を出た後、道を歩きながらでよいので、まず、感触のよし悪しをハッキリさせましょう。




★判断の根拠を明らかにする


2つ目は、感触がよし悪しが認識できた後『なぜそういう判断をしたのかを考える』ということです。
これには自問自答するのがとても効果的です。「どうして課長の感触はよかったと思ったんだろう?」など。そして、自問した結果浮かんだことを短い言葉で個条書きにしてみるのです。メモするのがベストですが、頭の中で整理するだけでもよいでしょう。
例えば「課長の感触が良かった」と判断したとしましょう。その根拠を考えて見ると、次のようなことが浮かんでくるはずです。
・パンフレットを長い時間見ていた
・話をうなづきながら聞いてくれた
・パンフレットを見ながら「これ、うちで使えそうだな」と独り言を言っていた
こうしたことを整理するのです。


ところで、この整理をしていると、悪い感触につながることも頭に浮かんできます。
・全然質問がなかった
・最後は「ありがとう」だけで検討するという言葉もなかった


では自分はどうして「感触はよかった」と判断したのか。ここでもう一度考えます。そうすると「課長は余計なことは言わないけど必要なことは質問する人だから、今日質問がなかったのはパンフレットと説明で納得できたということだ」という考えが浮かびます。


実は、漠然と「感触はよかった」と判断したとしても、潜在意識の中ではこれらのことを考えているのです。それを顕在化して言葉にすれば説明でできるようになります。




★最初に結論を言う


そして3つ目は、『報告する際、最初に結論を言う』ことです。
上の例でTさんは上司にまず「感触はよかったです」と言えば上司は安心してTさんの報告を聞くことが出来ます。先に結論を言う、という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。しかし、実践している人はかなり少ないのが実態です。これを習慣にするだけでも話は格段に理解してもらいやすくなります。


以上の改善点を踏まえるとTさんの報告は次のようになります。
上司「今日のX商事さんへの新商品の説明、どんな感触だった?」
T:「感触はよかったです。パンフレットをしっかりご覧になり私の説明にも笑顔でうなづいていました。最後は『ありがとう』ととしか仰いませんでしたが、課長は余計な話はされない方なので検討いただけると思っています」
これならまとまった報告と言えますね。




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